あのカラスはどこへ行ったのだろうか……。
かれこれ1年以上ブログを更新していないのだが。

呼んだか？

なんだ、いたんですか。
今さら何の用です？

よくぞ尋ねてくれた、長巻博士。
大雑把かつ大げさに言うと、世界を書き換えに来たのだ。

どういうことです？
端折らずに正確に説明してください。

長巻博士、君が所属している世界"MissingMyth"は、調査したところ、俺の無計画さが原因で設定が破綻していることが判明した。
そこで、俺はMissingMythを再構築し、各人物の性格等はそのままに、関係性を組み替える。
その影響で、過去のブログでの各人物の発言が事実でなくなる点が出る。
そこは了承してもらいたい。

納得がいきません。
あなたは私たちの過去、現在、未来のすべてを自由にできるからといって、思いあがっているだけではありませんか？
そうして、再構築とやらを行ったところで、また近い将来にそれを繰り返すだけではありませんか？

なーんか、同じようなことをアレイラにも言われた記憶があるが……。
もう、その点に関しては、「信じてくれ」と言うしかない。
そうだな、会議を開こう。
全員集合だ！

事情は聞きましたわ。
まったく、しゅぴさんは仕方のない方ですわね。

今回の議題に関連する情報は取得済みです。
結論を先行させれば、しゅぴーれらい氏が全問題の元凶です。

サクヤさん、言い方が厳しいね。
何かオブラートみたいなものに包んだ方がいいと思うよ。

しょせん機械だ、事実をそのまま発言するしか能がないのだろう。

間倉さん、その発言は聞き捨てなりませんね。
サクヤはサイエンスゴーレムである以前に、私にとってかけがえのない存在です。
サクヤをけなすような発言は私が許しません。

……。

あの、すみません、この場所は初めてでして。
私はチーリャンと申します。
よろしくお願いします。
話を戻しますと、しゅぴーれらいさんが間違いに気付いてこの世界を正そうとすることには賛成です。
世界を丸ごと、なかったことにして真の死に追いやるということもできたはずですから。

貴様、この悪辣なカラスの肩を持つというのか？

あの方は、自分が生み出したものに責任を感じて、形を変えてでも維持しようとしているだけです。
本当に悪辣だったら、このような議論の機会も設けず、黙って何もかも無に帰したはずです。
私は、誰の味方をするとかそういうことではなくて、誰も死んでほしくないし、誰にも傷ついてもらいたくないだけです。
くだらない悪者さがしは、終わりにしましょう。

確かに、チーリャンさんの意見も一理ありますわね。
しゅぴさんは、黙ってさえいればこの世界を消すことができるのに、そうなさりませんでしたわ。
それどころか、わざわざ小細工までなさって維持しようとしてくれていますわね。
その動機は、個人的な感情が主なのでしょうけど。

そこが問題なのだ。
個人的感情や自分の都合で、他者を振り回す行為は悪としか言いようがない。
相手が神といえども、私は恐れない。
まずは神を討つ武器であるチェーンソーを手に入れる旅を始めるか……。

何を言っているんです？
確かに、あのチェーンソーを持った殺人鬼が現れる日は「神のひとり子」とされる人物が処刑された日と関係がありますが、「神のひとり子」はチェーンソーで処刑されたわけではないし、そもそも「神のひとり子」は「神そのもの」ではありません。
よって、なぜチェーンソーが神を討つ武器とされるのか、全く理解できません。

それもそうですけど、話を戻すと、しゅぴーれらいさんが悪そのものだったとしても、それを倒そうとか、罰しようとか考えて、実行するのは浅はかです。
正義の名のもとにどれだけの血が流されるか、どれだけ人が死ぬか、どれだけ悲惨な結果を生むか、歴史が何度も実証しています。
その中で、「一人殺せば犯罪者、百万人殺せば英雄」という皮肉も生まれました。
はっきり言いましょう。正義は悪です。正義を振りかざして排他的になることがこの世界で唯一の悪なのです。

小娘が知ったような口をききおって！
どけ西野！その小娘を一刀両断にしてくれる！

だめです！他人が気に入らないことを言ったからといって斬捨御免だなんて、そんなの独裁者ですよ！
その独善的な態度を改めたらどうですか！

どうも、間倉は僕が抑えておきますので、あとはよろしくお願いします。

そうか。つらい役目を負わせてすまない。達者でな。
……西野も大変だな。
あと数年もしたら、ストレスで白髪になるかもな。

しゅぴさん、会話がもうグダグダですから、締めくくった方がよろしくて？

アレイラ、疲れただろう。
俺も、とっても疲れたんだ……。

わたくし、犬ではありませんわよ。
天使に導かれてしゅぴさんと一緒に昇天、なんて冗談じゃありませんし。

はーい、すんません。
どうも、ここまでとりとめのない会話を見守ってくださって、ありがとうございます。
では、また。