練れないだろ

投稿者:User icon mini leomoro 投稿日:2016/06/14 15:50

「これって、正しいんだろうか?」
ふと、颯太は言う。
電信柱に寄りかかりながら、目だけ、入り口に釘付けだ。
「えっ?」と裕太。「今さら?」
「だけど、死神のこと、詳しく聞くには、
これしかないんだろ?」
コーヒーの缶を持って、先生は言う。
う~ん。2人の子供は、少し考え
「やばいんじゃない?死神なだけに、殺されるかも~!」
「ね~」
裕太と颯太、相変わらずの、仲の良さだ。
「だけどさ」と、先生。
「情報がないと、傾向と対策が、練れないだろ?」
先生は、グビッと、コーヒーをあおると、
「まずっ!」とつぶやいた。
すると、
「なぁに、傾向と対策って」と、無邪気な顔の、裕太。
「問題集だろ」と颯太。
「さすが、ガリ勉!」と、感心する裕太。
2人をチラ見する、先生。
「じゃなくて!」
先生は、待ちくたびれたのか、少し、苛ついている。
「死神は、なぜ、あのロッカーの鍵のことを、《俺の鍵》と言ったのか。
それはそれが、宝に近付くための、アイテムだと知ってたからだ。
さらに、あのゴルフ場に来た!というのは、どこにあるかを、知ってたからだ。
なぜ、お前達が絡んで来るのかも、知ってたようだった。なぜだ?、それは…」

先生は、2人を見る
「誰かが、秘密を漏らしていたからだ」
「えっ?」二人は驚く。
「裏切り者がいるの?」
そうとは、言ってないけれど。
「単に、偶然なのかもしれない。だけど、
疑ってもいいかもしれない」
裕太と颯太は、先生を、見つめる。
「まさか、先生は、裏切り者じゃないよね?」
そんな事には、気付かずに、
「あのおじいさんは、一体?」
どちらからともなく。ポロッと疑問は出てきた。なんの前触れもなく。

コメントする

コメントするには、ログインする必要があります。

コメント一覧

コメントはありません。