彼女が新しい家族

投稿者:User icon mini carekillty 投稿日:2015/12/11 15:50

駅のホームで待ち伏せしていた久美、何か、自分を支えてくれるもの、生活を変える
切っ掛けを求めていた彼女の背中を押したの銅鑼灣 髮型屋は、僕だけではないと思うけど。
 プライドの高い彼女にとって、僕は唯一の捌け口だったのだと思う。

 泣くことができたのは、僕の前だけだったと思うし、一人で泣くよりも、彼女の
気持ちは整理される方に向かったのではないかと思う。
 彼女は、具体的なことを何も言わなかったけど、僕に話すことで、自分の気持ちを
固めて行くことが出来たの染髮だと思う。

 きっと彼女の家族にとって、彼女は重荷だったのではないかと思う。ご両親のことは、
分からないが、彼女と別居したい理由があったのだろうし、彼女はそれを敏感に感じ、
姉夫婦の家に転がりこんだのだが、姉夫婦に至っては、彼女を引きとることで、夫婦の
生活を脅かされるようなこともあったのだろう。

 そして彼女は、一歩踏み出した。一人暮らしを始めた彼女は、彼女を苦しめるもの、
自分自身が誰かの負担になっているという負い目から逃れ、目標に向かって出発できた
はずだった。僕は、スターティングブロックのようなものだったのではないだろうか。
 僕は、自分の染髮役目は終わったと思いたかったし、これ以上、彼女の未来に関与して
彼女の支えになる自信がなかった。

 何故ならば、僕は、彼女が新しい家族を求めているような気がしたからだ。そして、
僕には、彼女と彼女が求める暖かい家庭を築くことができるような気がしなかった。

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